株式会社設立の手続きの流れと専門家からのアドバイス
当事務所の会社設立サービスは、複数の士業が密接な連携を図りながらそれぞれの専門分野を活かしたアドバイスを行う事で、多方面に気を配る必要があるお客様の事業運営に関して、隙のないサポートが実現できる事が大きな特徴です。
しかしながら、それぞれの専門家がどのようにアドバイスを行うのかについては分かりにくい所もあるかと思います。 そのためここでは建設業許可を取得する会社を設立する事を例にして、会社設立の流れと各専門家からのアドバイスを記してみます。(発起人設立の場合です)
本ページをご覧いただきますと各専門家がそれぞれ別の視点からアドバイスを行っているのが、お分かりいただけるのでないかと思います。
複数の士業が集まり連携する事で可能となる多方面のアドバイスの一例をご覧頂き、ぜひ「あなたの事業運営にどのような形でメリットが生まれるのか?」をお考えください。
定款を作成する |
会社の運営や組織などを決めた「会社の憲法」と呼ばれるものが定款です。定款を作成するにあたり、一例として次のような内容を決定しておかなければなりません。
株主(出資者・発起人)とその出資額
役員(取締役や監査役など)とその任期
営業年度や決算期 |
各専門家からのアドバイス
行政書士から |
建設業許可の経営管理責任者になれる要件満たす人物を役員に入れておく必要があります。
また役員に就任する人物は建設業法に記載された欠格事由に該当しない人物であるか確認しましょう。
さらに経審を受ける場合は、経審の結果通知を受け入札参加資格を提出する期日から逆算し、決算期を決定する事をお勧めします。 |
税理士から |
株主構成は離脱のデメリットも考慮して、創業時は出来るだけ親族で少人数にする事が懸命です。
それは、離脱株主の株買取の額などに影響するため、離脱の可能性を少しでも減らしておいた方が良い場合が多いからです。
役員については無理に複数選択する必要はありません。
また決算期は事業上、(税務申告の時期が繁忙期と重ならないようになど)都合のよい月で構いませんが、消費税法上の免税期間を考慮する場合は、1期目が出来るだけ長くなるように決算期を決めるなどの注意が必要です。 |
司法書士から |
発行可能株式総数は発起人で決定する必要がありますので、定款や発起人決議書等で決定しなければなりません。 |
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公証役場で定款の認証を受ける |
定款を作した後は、公証役場にて公証人による定款の認証を受けます。 公証人にて定款の記載など形式的な部分を確認してもらい、記載に不備がなければ定款が認証され法的な効力を持つことになります。
なお、定款の認証が行える公証役場ですが、本店所在地の同一都道府県内にある公証人役場となります。もし複数の公証役場がある場合は、好きな公証役場を選んで認証して構いません。
また、電子定款認証が可能な公証人役場もあります。 電子定款による認証を行うと定款に貼付を行う4万円の収入印紙が不要となりますので、会社設立費用を安くする事ができます。 |
各専門家からのアドバイス
行政書士から |
定款認証には原則、発起人(出資者)全員で公証役場にいく必要がありますが、代理人が代わりをする事は可能ですので、委任状を添えて1人で認証にいく事も可能です。
また発起人(出資者)全員の印鑑証明書が定款認証には必要になりますが、登記時にも印鑑証明書が必要になるケースが多いですので余分に印鑑証明書を取得しておくと、手続がスムーズに行えます。
なお電子定款認証を行うには一定の設備投資が必要ですので、利用には行政書士等の専門家を利用する方が良いと思われます。(当サイトで依頼を行っていただいた場合、原則的に電子定款認証を行います)
さらに、この後の手続をスムーズにするため、会社の代表印(実印)を定款認証前後で作成しておく事をお勧めします。
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出資金を払い込む |
次に出資金を銀行口座に払い込みます。
新会社法が施行され、金融機関の払込証明書が必要なくなりましたので、発起人(出資者)1人の銀行口座に出資者が出資額を振込ます。 |
各専門家からのアドバイス
行政書士から |
建設業許可を取得するために資金要件があります。
最低資本金制度が撤廃されたからといっても、あまりに少ない資本金で会社を設立させてしまうと、後の許可が取れないという危険性もありますので、建設業許可取得を見据えて出資額を決定するをお勧めします。 |
税理士から |
資本金は多い方が世間体がよいかもしれませんが、資本金の額は都道府県と市町村に納税する「均等割税額」にも影響がありますので注意が必要です。
また、交際費の損益不参入金額も資本金が増えるに従って多くなります。こちらにも注意してください。
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司法書士から |
主資金払込口座は、すでに出資者がお持ちの口座でも構いませんが、登記申請の際に通帳のコピーを添付し法務局へ提出いたしますので、出来れば新しく口座を作られることをお勧めいたします。
なお、払い込みの日付は定款認証後に行い、払込人が分かるように名前を記入しての振込を行いましょう。
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登記申請書などの書類を作成する |
出資金が払い込まれれば、払い込みが適正に行われた事を証明する書類と共に株式会社設立登記申請に関する書類を作成します。
この際には会社の代表社印(会社の実印)となる印鑑が必要となります。 |
各専門家からのアドバイス
行政書士から |
順番が前後してしまいましたが、発起人決定書などで代表者を定める際、法人なりで経審の引継ぎを行う場合にば代表者の選定に注意してください。
代表者選定を誤ると場合により経審の引継ぎなどが行えない危険性もあります。 |
司法書士から |
新会社方の施行に伴い議事録作成者の記載が必要となりましたので、株主総会議事録などは作成者の記載を必ず行うようにしましょう。
議事録作成者未記載の場合、申請の却下が行われる危険性もありますので、注意してください。 |
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法務局へ登記申請する |
法務局へ登記申請を行います。
申請後数日で登記がされますが、会社の設立時は登記申請を行った日となります。
なお、税務関係の届出や社会保険等の加入など、会社設立後にしなければならない手続もありますので、忘れず手続を行います。 |
各専門家からのアドバイス
行政書士から |
法人の設立が終われば建設業の許可申請が行えます。
建設業許可の資本要件を満たす事が大変な場合は、出来るだけ設立直後のお金が残っているときに許可申請を行うようにしましょう。 |
税理士から |
会社設立後には定款などの変更が生じた場合は、速やかに定款を作成しなおし、登記が必要な場合は登記を行いましょう。
その理由として、取引先や金融機関によっては「定款変更の議事録」を添付しただけでは通用しない危険性が挙げられます。 |
社労士から |
複数の人を雇い事業活動を実施していく上で、会社内の就業規則を決めておくは無用なトラブルの回避につながります。
労働基準法では労働者が10人未満の場合は就業規則の作成は義務付けられていませんが、近年、会社と労働者のトラブルが急増しています。
そのようなトラブルを避けるためにも、会社設立後、トラブルが起こる前に準備を行っておきましょう。 |
司法書士から |
設立登記が終わった後は、会社の代表者印(会社の実印)届書を提出して印鑑の登録を行いましょう。 また同時に印鑑カードの発行もしておくと、今後印鑑証明書を取得するときに便利です。
なお、設立直後は登記事項証明書(登記簿謄本)の提出を求められるケースが多いですので、複数枚取得しておくことをお勧めします。
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会社設立と1口に言っても、あなたの状況によって会社の機関設計はさまざまです。当事務所では依頼される方のご希望やお話をじっくりお聞きした上で、最適な手段での会社設立への道を提案いたします。
つまり当事務所はお客様のご希望と現状を勘案し、最適な方法を見つけ出す事を最優先いたします。決して会社設立のみを考えて行動いたしませんので、ご安心ください。
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